28 名前:おさかなくわえた名無しさん[] 投稿日:01/12/10(月) 13:37 ID:Rd3fMM0P
小学校に上がるまえに祖父が亡くなった。
祖父は戦争中に列車事故にあい、片足を切断していたけど
今のように高品質な義足のない時代に
重たい義足をつけて杖をつきながら、私や弟を可愛がってくれていた。
何時の頃からか家の仏壇の前には
祖父の命日頃になる高価なお線香と共に一通の手紙が添えられていた。
やがて祖父が亡くなってから25年は過ぎ、私も結婚し子供も出来た頃
長年同じように仏壇に供えられる手紙の疑問を母に尋ねてみた。
その手紙とお線香は祖父の戦友であった人からの毎年の贈り物だったそうだ。
添えられる手紙もその人がまるで祖父が生きているかの如く語りかけているような
読む人が涙を流さずにはおれないほどに、切々と心情を達筆な字で
便箋にびっしりと書き綴ってあった。
母も毎年そうやって頂く手紙は祖父も待ち望んでいると思い
毎年お仏壇に供え、またその手紙の主が少しでも長生きしてくれることを祈っていた。
結婚して実家から離れた場所に住んでも
実家に帰るたび、僭越ながらも祖父の代わりに読ませてもらい
祖父の分も長生きをしてくれる事を私も祈っていた。
そしてとうとう祖父の戦友であった人のご子息から訃報が届いた。
祖父の命日に手紙とお線香が届き出して30年は経っていた。
戦地で生死を共にした祖父とその友人は今頃はあの世と言われる場所で
きっと酒でも酌み交わしているに違いないと思う。
亡くなってからも30年経っても一向に友情が薄れることのなかった祖父達。
今はもうお仏壇に供えられる手紙はないけれども
そんな祖父を持った事を誇らしく思う。
子供達にも必ず話して聞かせようと決めている。
大人の友情思い出してホローリくる家族との思い出Part2
30年も返事の来ない相手に送るなんて出来ないなorz